老後に気になる費用「医療費」
日本は平均寿命が上がり人生70年から80年へと突入しています。
また超高齢化社会となっていることもみなさんご理解されていると思います。
老後、仕事を退職されてから生活費用についても心配されますが、老後は健康状態を維持するということも楽しく生活をしていくために重要な要素です。
しかし年齢を重ねるごとに免疫力なども低下しますし、体力も減少し、病気をすることも多くなりますし、怪我をすることも多くなり、医療費についても心配があります。
仕事をしていないという状態で収入が年金等に限られるのですから、医療費にどのくらい必要なのかを理解し、貯蓄しておくということも重要です。
老後、医療費はどのくらいかかるものなのか
どんなに健康的な生活を送っていても、病気にならないという補償はありません。
年齢を重ねるごとに免疫力、体力ともに低下し、骨も弱くなるので病気や怪我のリスクは若い時と比較し、格段に上がります。
厚生労働省の平成26年度における患者調査の概況のデータをみると、年齢別、人口10万対の受療率は60歳から64歳で入院1064人、外来6514人、年齢が65歳から69歳となると入院が1350人、外来が8309人と年齢を重ねるごとに受療率が高くなっていることがわかります。
実際にどのくらいの医療費が老後、必要となるのか見てみると、15歳から44歳で11万くらい、45歳から64歳で28万位、65歳以上となると72万位、70歳以上となると82万位とどんどん多くなっていきます。
医療費の負担をどう軽減すればいいのか
では医療費の負担をどのように軽減していけばいいのかを考えてみましょう。
まず高齢者が支払う必要のある医療費自己負担分は、退職以前よりも軽減していますが、70歳から74歳で自己負担が2割、75歳以上で1割です。
ただし現役同様に所得があるという場合、3割負担となります。
医療費の軽減については高額療養費制度があり、この制度は医療費が高くなっていく家計の負担を軽減するため、医療機関、薬局等で支払った1ヵ月の金額が上限を超えた場合、その超えた額が支給されるという制度です。
この上限については一定額ではなく、年齢が70歳以上、また所得水準によっても違いが出てきます。
69歳以下の場合、住民税非課税者の場合、35400円、年収が370万円までの場合57600円、年収が370万から770万までが81000円+(医療費-267000円
×1%とそれぞれ所得に応じてちがってきます。
70歳以上の場合、退職以前よりも手厚くなっていて、世帯ごとの上限額のほかに、個人ごとの外来区分も設けられています。
住民税非課税、また年金収入80万以下という場合、外来8000円、世帯15000円が上限です。
年収が156万から370万までが外来12000円、世帯44400円、年収が370万円以上については、外来44400円、世帯が80100円+(医療費-267000円)×1%が上限となっています。
ただ、平成29年8月からは、70歳以上の高額医療費上限額の一部変更があり、年収156万円から370万円に当る方は外来の上限が14000円、世帯ごと上限が57600円と引き上げられています。
平成30年8月からは年収156万円から370万円に当る方について、外来上限が18000円となり、70歳以上の方でも一定の収入がある場合には、退職前同様の負担が求められるようになっていきます。